労働基準法及び労働安全衛生法
[問 1] 労働基準法の総則等における定めに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 労働基準法第1条は,この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから,労働関係の当事者はこの基準を理由として労働条件を低下させてはならない旨定めるが,労働条件の低下が社会経済情勢の変動等他に決定的な理由がある場合には,これに抵触するものではない。
B 労働基準法は,労働時間中における労働者の選挙権その他公民としての権利の行使の保障に関する規定を置いているが,この公民としての権利には,民法による損害賠償に関する訴権の行使は含まれない。
C 支給条件が就業規則であらかじめ明確にされた退職手当について,当該就業規則において労働者が結婚のため退職する場合に,女性には男性に比べ2倍の退職手当を支給することが定められているときは,その定めは労働基準法第4条に反し無効であり,行政官庁は使用者にその変更を命ずることができる。
D いわゆる在籍型出向により出向先の指揮命令の下で労働する労働者については,雇用主である出向元は出向先での労働に関しても労働基準法の各条文について全面的に使用者としての責任を負う一方,出向先は,その権限と責任に応じて労働基準法における使用者としての責任を出向先と連帯して負うにとどまる。
E 同一の労働基準監督署管内に同一企業の事業場が複数ある場合は,労働基準法に基づく報告又は届出については,当該企業内の組織上各事業場の長より上位の使用者が取りまとめて報告又は届出を行うことは差し支えない。
問1 回答
正解 D 労基法の総則
A 正しい 法1条2項
B 正しい 法7条
C 正しい 法4条
D 誤り 法10条
E 正しい 昭和22・9・13基発17号他
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[問 2] 労働基準法の労働契約等に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 使用者は,労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないが,実際に労働者の債務不履行により被った損害の賠償を請求することは禁止されていない。
B 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約については3年の期間を定めることができ,この契約を更新する場合も3年の期間を定めることができる。
C 労働契約の締結に際し書面を交付して明示すべき労働条件のうち,退職に関する事項については,退職の事由及び手続,解雇の事由等を明示しなければならないが,明示事項の内容が膨大なものとなる場合は,労働者の利便性をも考慮し,適
用される就業規則の関係条項名を網羅的に示すことで足りる。
D 労働者Xの雇入れに当たり,Xは,事業主が使用している労働者Y等との折り合いの関係から,Y等の賃金引上げを要望し,事業主もその引上げを約したが,実際にはその引上げを行わなかった。この場合,Xは,この約束が守られていないことを理由としては,労働基準法第15条第2項を根拠として自分自身の労働契約の即時解除をすることはできない。
E いわゆる日給月給制において欠勤1日について1日分の賃金を月給から控除する旨を定めた就業規則の条項は,欠勤という労働契約の不履行について一定額の金銭をもって違約金を定めたものと解釈され,労働基準法第16条の賠償予定の禁止の規定に違反し無効である。
問2 回答
正解 E 労働契約等
A 正しい 法16条
B 正しい 法14条1項2号
C 正しい 法15条1項
D 正しい 法15条2項
E 誤り 法16条・法91条
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[問 3] 労働基準法の解雇・退職等に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 使用者が行った解雇の予告の意思表示は,一般的には取り消すことができないが,労働者が具体的事情の下に自由な判断によって同意を与えた場合には,取り消すことができると解されている。
B 労働基準法第20条第1項の即時解雇の場合における解雇の予告に代わる30日分以上の平均賃金の支払いは,解雇の申し渡しと同時に行うべきものである。
C 解雇予告期間の30日は労働日ではなく暦日で計算され,その間に休日や休業日があっても延長されないから,5月31日の終了をもって解雇の効力を発生させるためには,遅くとも5月1日には解雇の予告をしなければならない。
D 使用者は,労働者が退職する場合において,労働者から請求があった場合においては,争いがある部分を除き,7日以内に賃金を支払い,積立金,保証金,貯蓄金その他名称のいかんを問わず,労働者の権利に属する金品を返還しなければ
ならない。このことは退職手当についても同様である。
E 賃金の所定支払日が毎月20日とされている会社で,当月1日に労働者が当月15日をもって退職する旨届け出て予定どおり退職した。この労働者が,退職した日の翌日である16日に当月支給分の賃金の支払いを請求した場合,労働者の請求があってから7日以内に支払えばよいとはいえず,所定支払日の当月20日には支払わなければならない。
問3 回答
正解 D 解雇,退職等
A 正しい 昭和25・9・21基収2824号、民法540条2項
B 正しい 法20条1項
C 正しい 法20条1項、民法140条
D 誤り 法23条1項
E 正しい 法23条1項、24条2項
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[問 4] 労働基準法の賃金・割増賃金等に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が使用者と締結した労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは,その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。
B 危険作業に従事した場合にのみ支給される危険作業手当は,その危険作業が法定の時間外労働として行われたとしても,割増賃金の算定基礎には参入しなくて差し支えない。
C 最高裁判所の判例によると,適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は,労働基準法第24条第1項但し書によって除外される場合にあたらなくても,その行使の時期,方法,金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば同項の禁止するところではないと解されている。
D 割増賃金の計算の便宜上,1ヶ月における時間外労働,休日労働及び深夜労働の各時間数の合計に1時間未満の端数がある場合は,30分未満の端数を切り捨て,それ以上を1時間に切り上げる措置は法違反として取り扱わないこととされている。
E 週2日の所定休日を定める事業場でその2日とも休日労働させた場合,労働基準法上,休日労働に関し,3割5分以上の割増賃金の支払いが必要とされるのはそのうちの1日のみであり,残る1日の賃金については,就業規則の定め等当事者の合意に委ねられる。
問4 回答
正解 B 賃金・割増賃金等
A 正しい 法24条1項
B 誤り 法37条4項、則21条
C 正しい 昭和44・12・18
D 正しい 昭和63・3・14
E 正しい 法37条1項
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[問 5] 労働基準法の労働時間等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
A 製造業に属する事業場においては,法定の休憩時間は原則として事業場の労働者全員に一斉に与えなければならず,これを交替で与えるためには,事業場の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)と書面による協定が必要である。
B 労働基準法第36条第2項に基づき労働大臣が定める「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」に定められた1ヶ月45時間等の限度時間を超える時間を定める労使協定は,その部分について無効となり,この基準の定める限度時間で協定が締結されたものとみなされる。
C 年次有給休暇は,雇入れの日から継続6ヶ月間(1年6ヶ月以上勤務した者については6ヶ月経過日からの各1年間)勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に,原則として向こう1年間の権利として発生するが,定年等によりその1年の途中で退職することが明らかな者については予定勤務月数に応じて付与すべき日数を減じて差し支えない。
D 年次有給休暇を取得した日に対する賃金は,平均賃金,所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又は健康保険法第3条の標準報酬日額に相当する額のいずれかから,年次有給休暇を取得した労働者の指定するところに従い支払わなければならない。
E 年次有給休暇の取得の要件である出勤率の算定においては,業務災害による療養休業期間,「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」による育児休業期間及び介護休業期間のほか,労働基準法第65条の産前産後休業期間及び同法68条の生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置として就業させない期間は,これを出勤したものとみなされる。
問5 回答
正解 A 労働時間等
A 正しい 法34条2項
B 誤り 法36条4項
C 誤り 法39条1項
D 誤り 法39条6項
E 誤り 法39条7項
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[問 6] 労働基準法の裁量労働制に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
A 労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制により当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)との書面による協定(以下本問において「労使協定」という。)で定める時間労働したものとみなすことができる業務には,命令及び告示に例示された業務のほか,その実情を最もよく判断することができる労使当事者間の協定により定められた任意の業務も含まれる。
B 専門業務裁量労働制においては,業務の遂行の手段及び時間配分の決定に関し,使用者が,当該業務に従事する労働者に対し具体的指示をしないこと等を労使協定で定めることが要件とされているが,この要件は,就業規則にその旨を明記することにより労使協定の定めに代えることができる。
C 労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制の対象業務に従事する労働者の労働時間については,労使協定で定めた時間労働したものとみなされる。
D 企画業務型裁量労働制に係る決議を行うことのできる労使委員会の委員の半数については,当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)に命令で定めるところにより任期を定めて指名され,かつ,命令で定めるところにより当該事業場の労働者の過半数の信任を得ている者でなければならない。
E 専門業務型裁量労働制を適用できる研究開発業務は,これにふさわしい中央研究所またはこれに準ずる事業運営上の重要な研究が行われている事業場での業務に限られる。例えば,中央研究所としての機能を持たない地方工場付属の研究所における研究開発業務は当該裁量労働制の対象とすることはできない。
問6 回答
正解 D 裁量労働制,企画業務型裁量労働制
A 誤り 法38条の3第1項
B 誤り 法38条の3第1項
C 誤り 法38条の4第1項
D 正しい 法38条の4第2項1号
E 誤り 平成11・3・31基発168号
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[問 7] 労働基準法の時間外労働に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
A 災害等による臨時の必要がある場合を除き,法定の労働時間を超えて労働させるためには,原則として,事業場の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)との書面による協定を締結し事前に届け出なければならないが,その暇がない場合は事後遅滞なく届け出れば足りる。
B 労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定において協定し届け出られた延長することができる時間数や労働させることができる休日の日数を超えて労働させることは,原則として違法とされ,このことは個別の労働者の同意を得た場合も同じである。
C 労働基準法における女性の時間外労働に関する規定は廃止されたが,改正前にそれらの規定の対象とされていた労働者であって子の養育又は家族の介護を行う者については,平成14年3月31日までの間,労働基準法第36条第2項に基づく1年間の労働時間の延長の限度についての労働大臣の定める基準は,360時間を超えないようにしなければならないものとされている。
D 妊娠中の労働者は,労働基準法第65条による軽易な業務への転換の請求及び同法第66条による法定の時間外労働,休日労働又は深夜業をさせないことの請求のいずれか一方をすることはできるが,その両方を同時に請求することはできない。
E 満18歳に満たない年少者については,労働基準法第33条の災害時による臨時の必要がある場合を含め,法定の労働時間を超える時間外労働や法定の休日における労働は一切させることができない。
問7 回答
正解 B 時間外労働
A 誤り 法36条1項
B 正しい 法36条1項
C 誤り 法附則133条
D 誤り 法65条3項
E 誤り 法60条1項 |
[問 8] 労働安全衛生法の総則における定めに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 労働安全衛生法は,職場における労働者の安全と健康を確保するとともに,快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
B 機械,器具その他の設備を設計する者は,これらの物の設計に際して,これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
C 機械,器具その他の設備を製造する者は,これらの物の製造に際して,これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止の措置を講じなければならない。
D 作業環境測定とは,作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン,サンプリング及び分析(解析を含む。)をいう。
E 労働者は,労働災害を防止するため必要な事項を守るほか,事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。
問8 回答
正解 C 安衛法の総則等
A 正しい 法1条
B 正しい 法3条2項
C 誤り 法3条2項
D 正しい 法2条4号
E 正しい 法4条 |
[問 9] 労働安全衛生法に定める安全衛生管理体制に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 事業者は,労働安全衛生法の規定によって安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは,それぞれの委員会の設置に代えて,安全衛生委員会を設置することができる。
B 常時10人以上50人未満の労働者を使用する製造業の事業場の事業主は,安全衛生推進者を選任しなければならない。
C 鉱山保安法の適用を受ける鉱山に関しては,労働安全衛生法第3章の安全衛生管理体制の規定は適用されない。
D 複数の衛生管理者を選任すべき事業場において,そのうち1人を労働衛生コンサルタントから選任するときは,その者は,必ずしも当該事業場に専属の者でなくともよい。
E 事業者は,当該事業場の労働者で,作業環境測定を実施している作業環境測定士である者を衛生委員会の委員として指名することができる。
問9 回答
正解 C 安全衛生管理体制
A 正しい 法19条1項
B 正しい 法12条の2
C 誤り 法114条2項
D 正しい 則7条1項2号
E 正しい 法18条3項 |
[問10] 労働安全衛生法に規定する事業者が行う健康診断に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
A 事業者は,深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては,当該業務への配置替えの際及び6ヶ月以内ごとに1回,定期に,所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
B 健康診断の実施の事務に従事した者は,その実施に関して知り得た労働者の心身の欠陥その他の秘密を漏らしてはならない。
C 事業者は,労働安全衛生規則に基づいて作成すべき健康診断個人票を,5年間保存しなければならない。
D 事業者は,健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者については,その健康診断の結果に基づき,当該労働者の健康を保持するために必要な措置について,医師又は歯科医師の意見を聞かなければならない。
E 常時50人以上の労働者を使用する事業者は,毎年3月末までに,前年の健康診断の結果を取りまとめた所定の健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
問10 回答
正解 E 健康診断
A 正しい 則45条1項
B 正しい 法104条
C 正しい 則51条
D 正しい 法66条4
E 誤り 則52条 |
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